2010年7月15日木曜日

ドイツ一人旅 【ベルリン】

◆憧れのフィルハーモニー

とうとう来たぞーっ

40年以上経っているとは思えない
斬新でしゃれた建築。

今でこそ、近代的なビルが立ち並ぶ
ポツダム広場だが
第2次大戦直後は、一面焼け野原。

そこにぽつんと、フィルハーモニーが建った。
ベルリンの壁ができた2年後、
その壁のすぐ近くにだ。
当時の写真を見ると、胸が詰まる。

東西ベルリンのかけはしに。
そしていつか、統一されたとき
ここが文化の中心地になるように・・・

カラヤンや、建築家たち
関係者の願いだったのだそうだ。
そのとおりになったんだね。

フィルハーモニーのそばを歩いていると
ソリストとすれ違ったり、団員が車で通ったりする。
もう大興奮!

こういうとき、英語でもペラペラだったら
さくっと話しかけられるのに・・・とつくづく思うのだった。。

ホテルから街への通り道だったこともあり
5日間の滞在の間、
ホワイエでのミニコンサート
ホールのガイドツアー・・と
何度も足を運んで堪能。

そしてやはりメインは、コンサート。
その日は急きょ、フィルハーモニー目の前の
高級ホテルに場所を移し、
夕方部屋に戻り
シャワーを浴びて身を清め(笑)
いざ!

音はものすごく鮮明に聴こえて
シャワーのように体に降ってきて
包まれる感じ。

そして、目の前に
遠足に来た子供のように楽しそうな団員たち。
ひいきのヴァイオリニストも、ニコニコ・・・
わ~ こっち見たっ (*o*)

あーこのベルリンフィルの
余裕かましたマジックに
やられちゃうんだよなぁ。。。

日ごろの練習や葛藤があってこその本番だろうが
こんなにキラキラと輝けることを
仕事にしている彼らって、本当に素敵だ。

クープランの墓
バルトークのビオラ協奏曲
そして、ブラームスの2番・・・

着々とプログラムは進んでしまう。
『お願いだー 終わらないでくれ・・・』
顔がくしゃくしゃになる。

この幸せな時間が過ぎないでほしい・・・
あんなに切に願ったのは
たぶん人生で初めてだ。

大拍手とブラヴォの声の中
団員はあっさりと、楽しそうに退場。

拍手が鳴り止まず
指揮者のビシュコフだけが再登場し、挨拶。

あぁ、終わってしまった・・・
後ろ髪ひかれる思いで
ホテルへ戻る。

フィルハーモニービューの部屋にしてもらってよかった。
しばらく、脱力して窓辺に座り込み
ライトアップされたホールを
眺めていた。

フィルハーモニーは
何ごともなかったように、たたずんでいる。

あそこでは、当たり前に
奇跡がしょっちゅう起きているんだなぁ。

ビールを呑み
この日ばかりは夜更かしを。

午前1時過ぎ、小ホールのライトが消え
午前2時、大ホールのライトも消え・・・
夢のような誕生日は終わった。


◆”負の遺産”を残す

ドイツを歩いていて、随所に感じたのは
”暗い歴史とも向き合い、忘れない”という姿勢だ。

ナチスに虐殺された
ユダヤ人を追悼するモニュメントを
ベルリンのど真ん中の、広大な敷地に作ったこと。

ベルリンの壁の跡や博物館
シュタージ博物館なども
観光名所にしていること。

爆撃で破壊された建物を
あえて そのまま残し
戦争の愚かさを伝えていること。


『 相手に忘れてもらう唯一の方法は
我々が決して忘れないこと 』

と言った人がいたそうだが
日本には、その姿勢が足りないんじゃないかと思う。

被害を受けたことばかりではなく
あやまちも隠さず認め、知っておかなければ。

見習うべき姿勢だと感じた。









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