来年、60周年を迎える
桜木町は紅葉坂の 神奈川県立音楽堂
建築見学会 があるというので
おもしろそう!と参加。
まず、開演時間まで
ホール内部&裏側を自由に見学。
うわ~古い~!
とても使いやすいとはいえない設備。
維持も大変そうだ・・・
しかし・・・講演が始まったら
もう胸がいっぱい。
この建物は、残さなくてはいけないものなんだ!
ゲストは
建築家の内藤廣氏と
ピアニストの仲道郁代さん
内藤氏は、スライドを交え
終戦後、がれきがまだ残る中
ぽつんと建てられた音楽堂の尊さを語ってくれた。
人々の基本的な生活も厳しい中、恵まれた資材もなく
反対もあったろう中
今こそ文化を興そう、と尽力した人たちの想いに涙。
内藤氏も、幼少の頃からクラシック音楽が好きで
音楽堂には定期的に通っていたそうだ。
中学の授業が終わると、鎌倉から桜木町まで!
時間がギリギリで、紅葉坂の急勾配のダッシュは大変だったとか。
そしてある日、たいした期待もなく行ったコンサートで
背筋がゾクゾク、とてつもなく感動する演奏に出会う。
どうかこの時間よ過ぎないで・・!と切実に願う気持ち。
あ~わかる!わかるっ!
私もそう思った瞬間を思い出して
なんだか終始胸がいっぱいだ・・・
仲道さんは、本当にトークも上手。
いろんな実験を交えて、
音の世界の深さ
答えのない自由さを教えてくれる。
お二方のトークで印象に残ったのは
ホールもエイジングする、ということ。
いろんな音を吸い込んで、経験して
ホールも変わっていくんだな。
カーネギーホールでスターンが言っていた。
『この舞台に立って耳をすますと聴こえてくる。
あそこからチャイコフスキーの演奏
あっちからはハイフェッツ、ラフマニノフ、ホロヴィッツ・・・
みんな歓迎してくれてるんだよ』
映画の中のセリフだけど、私はホントだと思う。
いい音楽を聴けるホールには、お客さんも”期待して”来る。
『ここは特別な場所。幸せな時間をすごせる♪』
観客の思い入れでも、コンサートはぐっと変わる。
そうなのだ!
生で聴く、ということは
音楽をとりまく、すべてもの、目に見えないなにかが融合して
どうにでも変わるということなんだよね。
なんか分からないけど
言葉で説明できないけど
とにかくすごいんだ!!という瞬間を求めて
ますます音楽と、それをとりまくものへの愛情が深まった一日。
ありがとう。
音楽堂、これからもがんばって
素敵にエイジングを!
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