2010年5月23日日曜日

プラハの春

『プラハの春』(堀江一也著)を読み終える。

著者は、実際プラハに駐在し
改革運動と、軍事介入を目のあたりにした外交官。

日本人外交官と、DDRの女性との恋愛が描かれるのだが
”事実にもとづいたフィクション”とのことで
時代背景や、街の様子、市民生活の描写はリアル。

耳にしたことのある政治家の名前が次々にでてきて
緊迫した状況が語られる。

チェコスロバキアの人々は
長い間、大国の権力に翻ろうされながらも
武力に頼らず、屈せず、『言葉の民』として
気高く生きてきたのだなぁ・・

1989年の東欧革命は
こうした人々の、命を賭した想いと
歴史の積み重ねだったのだ、と
震えと涙が止まらなかった。

スメタナの『モルダウ』も
涙なしでは聴けなくなってしまった・・・

この本で、『モルダウ』とは、ドイツ語なのだと知った。
チェコ語では『ヴルタヴァ』

自国のシンボルである大河の名前も
他国の言葉で広まってしまっているなんて。

これからは、モルダウじゃなくて、ヴルタヴァと言うよ。
そして、チェコもいつか訪ねよう。

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