『プラハの春』(堀江一也著)を読み終える。
著者は、実際プラハに駐在し
改革運動と、軍事介入を目のあたりにした外交官。
日本人外交官と、DDRの女性との恋愛が描かれるのだが
”事実にもとづいたフィクション”とのことで
時代背景や、街の様子、市民生活の描写はリアル。
耳にしたことのある政治家の名前が次々にでてきて
緊迫した状況が語られる。
チェコスロバキアの人々は
長い間、大国の権力に翻ろうされながらも
武力に頼らず、屈せず、『言葉の民』として
気高く生きてきたのだなぁ・・
1989年の東欧革命は
こうした人々の、命を賭した想いと
歴史の積み重ねだったのだ、と
震えと涙が止まらなかった。
スメタナの『モルダウ』も
涙なしでは聴けなくなってしまった・・・
この本で、『モルダウ』とは、ドイツ語なのだと知った。
チェコ語では『ヴルタヴァ』
自国のシンボルである大河の名前も
他国の言葉で広まってしまっているなんて。
これからは、モルダウじゃなくて、ヴルタヴァと言うよ。
そして、チェコもいつか訪ねよう。